秋のファッションの話をするには、まだ少し早いかもしれない。だが、心地よい秋の気配はすぐそこまで来ている。ひんやりとした風が吹き始めたら、それは愛用のニットや、長い間クローゼットで眠っていたコートを引っ張り出す合図。ついでに、コーヒーのオーダーもコールドブリューからパンプキンスパイスラテへと秋仕様にしたくなる。
そんな今、この秋着られる日を指折り数えて待っているジャケットがある。それはシックなコートでも、クラシックなトレンチコートでもなく、ネオンカラーが鮮やかなウィンドブレーカー。まさに1980年代のパタゴニア(PATAGONIA)の広告に登場しそうな一着、と言えばイメージしやすいだろうか。
2026-27年秋冬のランウェイでは、カラフルなウィンドブレーカーが数多く登場し、スポーティーなジャケットが、洗練されたステートメントピースになり得ることを証明した。近年注目を集めるリー(LII)は、スカイブルーのウィンドブレーカーに赤のアクセントを効かせ、カラーブロックでひねりを効かせた。ロエベ(LOEWE)は、パープルのジップアップを、フードを備えたオーバーサイズシルエットで提案し、ミュウミュウ(MIU MIU)は、シャギーなファーをあしらったクロップド丈で仕上げた。機能的なアイテムを、より装飾的でモードな一着へと変貌させる──そんなアプローチが今季のムードだ。
では、なぜ今になってウィンドブレーカーが気になるのだろうか。その魅力は、大胆すぎたり派手すぎたりすることもなければ、かといって控えめすぎたりミニマルすぎたりもしない、その絶妙なバランスにある。しかも、羽織るだけでコーディネートが決まるとあって、手に入れて損はない。定番のジーンズはもちろん、アスレジャーなスタイルに合わせるだけでも、装いが一気に華やぐ。そのうえ機能性も抜群。何を着ればいいのか迷ってしまうような風の強い日や雨の日にもぴったりだ。
さらにうれしいのは、このトレンドを取り入れるために、必ずしもランウェイ級の高価な一着を買う必要はないということ。確かに、トリー バーチ(TORY BURCH)のブラウン×ブルーのリバーシブルジャケットはシックだし、なんと3850ドル(約51万円)もするロエベ(LOEWE)のトリカラーのジャケットも魅力的だ。しかし、リセールサイトを探せば、コロンビア(COLUMBIA)の鮮やかなヴィンテージのウィンドブレーカーが数千円で見つかることもある。手頃に楽しめて、気分まで上がる。
本格的な秋の涼しさが訪れるのはもう少し先かもしれない。けれど、気持ちのいい風が吹き始めたら、いよいよウィンドブレーカーの出番だ。まだ暑さの残る9月から、カラフルな一着で一足早く秋のムードを取り入れるのもいい。スポーティーでありながらモードなウィンドブレーカーが、この秋の装���に新鮮な風を吹き込んでくれるはずだ。
Text: Christian Allaire Adaptation: Kie Uchino
From VOGUE.COM
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