初めて抜け毛を経験して以来、私はヘアケアに関して“ターボモード”に突入した、とよく話している。髪の再成長を促すため、今ではヘアケアを徹底するのが日課だ。枝毛を防ぐために定期的に毛先をカットし、ダメージを補修するボンドリペアトリートメントを取り入れ、ヘアアイロンなどの熱器具を使うときは必ずヒートプロテクト剤を使用。さらに、髪全体の健康を内側からサポートするため、サプリメントも飲むようになった。
そんな私が先日ソウルを訪れた際、ゼンデイヤやアシュリー・グラハム、ユージェニー王女といったセレブリティも足を運ぶ、韓国の伝統的なヘッドスパ、Christian UNV Headspaを訪問。極上のスカルプマッサージと、スマートフ���ンの画面から離れ、目を閉じて外の世界とのつながりを断つ、90分間の至福のリラクゼーションを期待していた。けれど、まさかすでに処方箋のように細かく徹底していた自分のヘアケアルーティンを、根本から見直すことになるとは思ってもみなかった。
『VOGUE』おすすめの韓国発ヘア&スカルプケアアイテム
- 頭皮をすっきり整えるトニック:アロマティカ ティーツリー ピュリファイング トニック
- 仕上げのセラム:ミジャンセン パーフェクトセラム
施術は、まず頭皮の状態を分析するところからスタートした。担当者が差し出したiPadには、頭皮を顕微鏡で拡大したような画像が映し出されていた。幸いなことに、私の頭皮は比較的良好な状態だった。ひとつの毛包から2〜3本、場所によっては4本もの髪が生えているため、毛根部分の毛包は活発に働き、健全な状態に保たれているという。
一方で改善すべき点として指摘されたのが、頭皮の乾燥や皮むけ、毛根まわりに蓄積した汚れだった。韓国式スカルプ&スキンケアスタジオ「Dupï Studios」の創設者であり、Kビューティーのヘアケアブランド「Dupï」を手がけるエステティシャン、クリスティーナ・キムによると、これは彼女の顧客に最も多く見られる頭皮トラブルだという。
「多くの場合、頭皮が乾燥しているにもかかわらず、同時に毛穴が詰まっている状態を意味します。顔の肌とまったく同じです」とキム。原因としては、使用するアイテムの重ね方が適切でないことや、頭皮のバリア機能の乱れ、洗いすぎなどが考えられるという。
「古い角質や皮脂が頭皮にとどまる一方、その下にある皮膚には水分が不足しています。その結果、バリア機能が低下し、頭皮がいつまでもバランスを崩した状態から抜け出せなくなってしまうのです」
そこで今回の施術では、多くの韓国式スカルプトリートメントと同様に、頭皮の潤いとバランスを取り戻すことを重視。これは長期的に健やかな髪を育むうえで欠かせない要素だということを学んだ。これまで私は、髪の中間から毛先までを丈夫に保ち、潤いを与えることばかりに気を取られ、頭皮には同じだけの注意を払ってこなかったのだ。
「細菌や炎症、バイオフィルムの蓄積を防ぐためには、頭皮のマイクロバイオームを健やかなバランスに保つことが重要です」と話すのは、毛髪診断士兼ヘアスタイリストであり、ヘアケアブランド「Arey」の共同創設者でもあるジェイ・スモールだ。
「頭皮の表面に汚れが蓄積していたり、炎症が起きていたりすると、それが物理的なバリアとなり、皮膚が有効成分を吸収するのを妨げる可能性があります」
頭皮診断が終わると、そこからの90分間は、やさしいクレンジング、スチーム、丁寧な洗い流し、角質ケア、セラムの塗布、マッサージという、緻密に組み立てられた施術が続いた。施術後は、頭皮がどれほど清潔になったかを目で確認できただけでなく、その違いを感覚でもはっきりと実感できた。頭皮は軽やかになり、しっかりと栄養と潤いが行き渡ったように感じられたのだ。
「スカルプトリートメントは、韓方(ハンバン)と呼ばれる韓国の伝統医学と、現代の頭皮科学に基づいた、何層もの施術プロセスによって構成されています」とキムは説明する。「目指すのは、汚れがなく、穏やかで、血流のよい頭皮。そうした状態を整えることが、より健やかな髪の成長を促す環境につながります」
サロンで得られるような効果を自宅でも目指すためには、顔と同じように頭皮にも専用のケアルーティンが必要だとキムは強調する。
「頭皮は、血流、神経、筋膜が交わる場所です。毛包の健康やマイクロバイオームのバランス、皮脂の分泌、血流をコントロールしています。つまり、頭皮が健やかであればあるほど、健康な髪が育つための環境も理想的な状態に近づくのです」
できることなら毎週、プロによるヘッドスパを堪能したいところだが、現実的にはなかなか難しい。けれど今回の体験を通して、自宅でのルーティンにいくつかの小さな工夫を加える必要があることを学んだ。ここからは、私が欠かさず実践している3つの基本ステップを紹介する。
蓄積した汚れをオフする、頭皮用エクスフォリエーター
スカルプスケーラーやスカルプスクラブとは、簡単に言えば頭皮用の角質ケアアイテムのこと。私も、粒が大きくザラザラとした感触のスカルプスクラブが大好きだ。けれど、どうやらこれまでは少しやりすぎていたらしい。スモールによると、「頭皮は顔の皮膚よりも丈夫」という考え方はよくある誤解で、実際にはその逆だという。
「頭皮に汚れが蓄積すると、かゆみが起こり、無意識に掻いてしまうことがあります。その結果、自分でも気づかないうちに頭皮の組織に微細な傷ができてしまう可能性があります」と彼は説明する。
「クレンジングシャンプーやケミカルエクスフォリエーターは、過剰な皮脂や古い角質、外的環境による汚れ、スタイリング剤などの蓄積物を取り除き、頭皮をリセットするようなものです。炎症や刺激のリスクを軽減することで、継続的で正常な髪の成長が物理的に妨げられるのを防ぐだけでなく、自分で頭皮を傷つけてしまうことの予防にもつながります」
韓国で使われているスカルプスケーラーは、想像以上にマイルドな処方。頭皮に必要な潤いまで奪ったり、ダメージを与えたりすることなく、蓄積した汚れを取り除いてくれる。「韓国式のヘアスパでは、まずスカルプスケーラーを使ったケアから始めます。酵素パウダーやBHA配合のリキッド、ハーブ由来の角質ケア成分などを用いて、皮脂や汚れを取り除いていきます」とキムは説明する。
栄養と潤いを届ける、頭皮用アンプル
これまでシャワー後は、洗い流さないトリートメントやヘアオイル、セラムを重ね、毛先を集中的にケアしていた。今も洗い流さないトリートメントは使っているが(詳しくは後述)、最近は乾燥に直接アプローチし、頭皮のマイクロバイオームを健やかに保つため、軽い使用感のスカルプトニックも取り入れている。
「スカルプアンプルやトニックは、皮脂の分泌を調整し、頭皮を健やかに整え、毛包の働きをサポートするためのステップです」とキム。韓国にはミストやセラム、ロールオンなど、実にさまざまな形状のスカルプケアアイテムがそろっている。そのため、自分の頭皮の悩みや使い心地の好みに合わせて、必要な成分を凝縮した一本を見つけやすい。
「たとえ頭皮が清潔でも、栄養によるサポートがなければ、髪の成長に必要なエネルギーが足りません」とスモールは話す。「スカルプケアによって成分が働きやすい環境を整え、実際の効果をもたらすのが配合成分なのです」配合されている成分のなかには、ペプチドや抗酸化成分、ヒアルロン酸など、お気に入りのスキンケア製品で見覚えのあるものも多いはず。
「韓国では、ヘアケア製品は“頭皮のためのスキンケア”と考えられています。そのため、高級フェイスケア製品に使われるような機能性成分を、毛包や皮脂腺、血流に働きかけるよう応用しているのです」とキムは続ける。
「よく使われる成分には、頭皮の微小循環を促して抜け毛を抑えるカフェイン、血流を促進するオタネニンジン、頭皮を健やかに整えて落ち着かせるツボクサ(シカ)や緑茶、潤いを与えるパンテノール(ビタミンB5)、バリア機能をサポートする各種セラミドなどがあります。さらに角質ケア成分として、AHAやPHAが組み合わされることも。ポリヒドロキシ酸であるPHAは、AHAやBHAよりも穏やかに作用すると考えられています」
専門家たちは、こうしたアイテムを塗布した後、数分かけて頭皮になじませるようにマッサージすることも忘れないでほしいと話す。「韓国式のスカルプトリートメントでは、必ず最後に心地よい頭皮マッサージを行います。韓国では、筋膜をほぐして微小循環を促すテクニックが非常に重要だと考えられているからです。緊張を和らげるだけでなく、毛包への血流を促すことにもつながります」とキムは説明する。
“グラスヘア”の艶をかなえる、仕上げ用セラム
韓国式ヘアトリートメントの中心となるのは頭皮ケアだが、グラスヘアのような艶やかな仕上がりも同じくらい重要だ。そこで私が最後のステップとして必ず取り入れているのが、軽い使用感のヘアオイルや洗い流さないトリートメント、ヘアエッセンス。髪の中間から毛先になじませることで、ダメージから髪を守り、なめらかに整えながら、輝くような艶を閉じ込めてくれる。
「ヘアオイルやエッセンスは、日常的なメンテナンスと髪を保護するためのアイテムとして優秀です。特にカラーリングをしている人や、ヘアアイロンなどの熱器具を頻繁に使う人に適しています」とキムは話す。
「髪の中間から毛先は、すでに生命活動を終えた繊維であるため、自ら修復することはできません。けれど、外的ダメージから守ることは可能です」こうしたアイテムは髪にすばやくなじみ、つけていることを忘れるほど軽やか。細く柔らかな髪質で、オイル感や重さが出やすい私にとっては、特に重要なポイントだ。
「韓国のヘアエッセンスやオイルは、非常に軽い使用感が特徴です。濡れた髪にも乾いた髪にも、薄いヴェールをまとうようになじませて使います」とキム。「髪内部の潤いを保って水分の流出を抑えるため、使い続けることで切れ毛の軽減にもつながります」
この記事の検証・監修について
検証方法
製品をテスト・レビューする際、私たちは多角的な視点から検証を行い、バランスの取れた製品をおすすめすることを心がけています。まず、認定皮膚科医からセレブリティ御用達のエステティシャンまで、『VOGUE』が誇る幅広い専門家ネットワークに意見を求め、業界の中でも特に優れた製品、とりわけ専門家自身が実際にクライアントに使用したいと思うアイテムを厳選。そうした専門家の知見と『VOGUE』の編集基準を掛け合わせ、読者のみなさまにお届けする記事を制作しています。韓国のヘアケア製品については、成分、テクスチャー、塗布のしやすさ、使用方法、そしてどのような髪や頭皮の悩みにアプローチするかを基準に選定。それぞれの製品を編集部が実際に試した結果に加え、専門家のアドバイスやレビューも踏まえ、おすすめできるアイテムを選びました。
専門家紹介
- クリスティーナ・キム
韓国系アメリカ人2世のエステティシャンで、韓国語で「頭皮」を意味する「Dupï」および「Dupï Studios」の創設者。Dupï Studiosは、肌のバリア機能を第一に考え、結果を重視した機能的なフェイシャルトリートメントを専門とする、韓国式の頭皮&スキンケアスタジオ。韓国の伝統的なウェルネスと現代的なテクニックを融合し、頭皮の健康、筋膜、肌のバリア機能に着目した施術を行っている。直感的なアプローチと、人の手による丁寧なケアに先端技術を組み合わせた施術で知られ、NBCや『Today』でも紹介されている。 - ジェイ・スモール
ロサンゼルスを拠点に活動するヘアスタイリスト、毛髪・頭皮の専門家(トリコロジスト)であり、ヘアケアブランド「Arey」の共同創設者。Paul Mitchellのオーナーのもとで見習いとして経験を積み、その後John Paul Mitchell Systemsで、世界各地における教育および製品開発に携わった。
FROM VOGUE.US
Text: Brianna Peters Translation: Risa Yamaguchi
READ MORE
- 韓国発ビタミンC美容液おすすめ8選。くすみ・色素沈着・毛穴悩みにアプローチするKビューティの名品
- 多機能かつリーズナブル。大人の悩み効く厳選韓国コスメ9選【最新K-BEAUTYナビ】
- 韓国マニアが厳選! グッドルッキングな香りのお土産【最新K-BEAUTYナビ】
- わざわざ訪れる価値あり! 韓国通が語る、今受けるべき注目の美容医療4選【最新K-BEAUTYナビ】
- 夏の美容医療は厳禁? この季節にこそトライしたい施術とホームケアの最適解
- 猛暑ダメージをリセット。夏肌を救う、プロ発のスキンケアテクニックを披露
- 就寝中に美肌ケア。ゲランの「アベイユ ロイヤル」から2種類のナイトケア製品が誕生
- VOGUE JAPANのおすすめ記事がLINEに届く── 友だち登録はこちら








