Universal Scene Description
| 拡張子 | .usd、.usda、.usdc、.usdz |
|---|---|
| 開発者 | Alliance for OpenUSD |
| 種別 | 3Dファイル形式 |
| 開発元 | Alliance for OpenUSD |
|---|---|
| 最新版 |
25.08
/ 2025年7月31日 |
| リポジトリ | github.com/PixarAnimationStudios/USD/ |
| サポート状況 | Active |
| 種別 | 3Dライブラリ |
| ライセンス | Modified Apache 2.0 License |
| 公式サイト | graphics.pixar.com/usd/docs/index.html |
Universal Scene Description (USD、ユニバーサル・シーン・デスクリプション、万能シーン記述) は、3Dシーングラフ形式及びその形式を扱うプログラム群である。Alliance for OpenUSD (AOUSD) が保守しており、当初はピクサーが開発した。オープンソースを強調したOpenUSDとも呼ばれる。
USD形式
[編集]USD形式はモダンなシーングラフ形式であり、アセットの異形 (バリアント) [1]やアセットの外部参照、アセットのオーバーライドなどに対応している。USD形式にはテキスト形式 (usda) 、バイナリ形式 (usdc)、アーカイブ形式 (usdz)が存在する。
USDファイルの中に含めることのできる情報はスキーマによって定義されており、拡張可能となっている。
主なスキーマ
[編集]USDライブラリ
[編集]USDライブラリ群はUSD形式を取り扱うためのライブラリであるが、シーングラフのリアルタイム及びオフラインレンダリングに対応するHydraも含まれている。USDライブラリでHydraを使用するアプリケーションは、Hydraレンダーデリゲートに対応する多数のレンダーバックエンドを使用することができる。
レンダーバックエンド
[編集]以下はHydraレンダーデリゲートに対応するレンダーバックエンドである。
- 公式
- ハードウェア会社製
- USD採用アプリケーション搭載
- サードパーティー
- HydraNSI (hdNSI) - NSIインターフェースに対応するレンダラーを使用するためのプラグイン。オープンソース。NSIインターフェース対応のものには、物理ベースレンダラーの3DelightNSIが存在し、HoudiniのSolarisに向けた3Delight for Solarisも用意されている (3Delight for Houdiniに付属[11])。3DelightNSIは無料版も存在する。
- Arnold USD[12][注 1] - Arnoldレンダラーを使用するためのコンポーネント集。オープンソース。
- OctaneRender Hydra / Octane X Hydra - HoudiniのSolaris向けのベータ版が公開されている[13]。
- Redshift Solaris Hydra plugin - HoudiniのSolaris向けのプレビュー版が公開されている[14]。
- hdRstr - リアルタイムの直接照明および単反射回数の間接照明レンダラー[15]。NVIDIA RTXDIに基づいており、ReSTIRアルゴリズムを使用している[15]。
- オープンソース
歴史
[編集]USDはPixar独自のジオメトリキャッシュシステムである「TidScene」と、独自の3Dアニメーションツールである「Presto」(旧Marionette (Menv)[20]) のコア部分を統合するために開発された[21]。また、USDのレンダーエンジンであるHydraはPrestoに搭載されていた旧来のレンダーエンジンの後継として開発され[22][23]、GPUベースでRenderManのプリミティブに対応した[24]。
2016年、PixarはUSDをオープンソースとしてリリースした[25]。
用途
[編集]上位レベル3D APIとしての使用
[編集]USDライブラリはレンダリング機能を持つシーングラフAPIであるため、OpenSceneGraphなどのシーングラフAPIの代わりとして使用することができる。3DライティングソフトのKatanaはビューポートにおいて従来のOpenSceneGraphベースのものに代わりUSDライブラリのHydraベースのものを採用した[26]。
ファイル交換形式としての使用
[編集]USD形式は拡張可能であるため、レンダラー固有のマテリアルパラメータのような従来のファイル交換形式 (FBX形式等) では受け渡せない情報を詰め込むことが可能となる。例えば3DレンダラーのArnoldに対応するものとしてArnold USDが存在する。
また、AL_USDMayaでは複雑なリグなどの情報をUSDに詰め込むことも行われている[27]。
シーンキャッシュとしての使用
[編集]USD形式はシーンキャッシュ形式であるAlembic形式の代わりとして注目されている。USD形式へと対応した3DCGソフトウェアClarisseの開発元Isotropixのテストによれば、USD形式の読み込みはAlembic形式の読み込みに比べて50倍高速になるケースもあるとされる[28]。
レンダリング中間形式としての使用
[編集]USD形式はレンダリング中間形式であるRIB形式 (RenderMan Interface Bytestream)の代わりとしても注目されている。今後3DレンダラーのRenderManは中間インターフェースにおいてRIB形式の代わりにUSDベースの新インターフェースであるRILEYを用いる予定となっている[29]。
製作パイプラインでの使用
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
オーサリング形式としての使用
[編集]USDをZIP圧縮したものとしてUSDZ形式が存在し、この形式がARなどに使われている。
USDZ形式へのパッキング/変換ツールには以下がある:
- USDに付属するusdzip[30]
- usdz Tools (Apple)[31] - コマンド名はusdzconvert。Xcodeに付属するusdz_converter (非推奨) の後継[32]。
- Reality Converter (Apple)[33]
- Adobe Aero - ARアプリ。usdz形式での出力にも対応している[34]。
- StemCell (TurboSquid) - 様々なDCC形式に対応するオンラインファイルコンバータであり、usdz形式での出力にも対応している[35]。
- Quixel Bridge[33] (Epic Games)
- USDZ Converter (ViewAR) - オンラインコンバーター[33]
- Vectary - オンラインの3Dデザインツール[33]
USDZ形式の表示には以下が対応している:
- ARKit 2以降 (Apple) - iOS向けの拡張現実(AR) SDKであり、AR Quick Look機能がusdz形式に対応している。
対応ソフトウェア・プラグイン
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
以下はUSDに対応するソフトウェア及びプラグインである。
USD及びHydraビューポート搭載ソフトウェア
[編集]- USDView - USDに含まれている単体USD形式ビューワ。
- Katana 3.0以降 (Foundry) - ライティングソフトウェア。3.0以降でUSDを使用するようになり、Hydraベースのビューポートが追加された[36]。また、オープンソースのKatana USD Plug-insも搭載しているが標準で無効となっている[注 2][37][38]。
- Houdini 18以降 (SideFX) - USDベースのライティング/ルックデブツールであるSolarisが搭載されている[10][注 3][39]。
- Maya 2022以降[40] (Autodesk) - 2020.2以降、MtoA (Arnold for Maya) プラグイン経由でのUSDエクスポートに対応しており[41][42]、2022以降、Maya USD拡張[注 4][27][43][44]の搭載によるUSD形式のインポート/エクスポートやHydraビューポートに対応している[40]。
- Nuke 13.0以降 (Foundry) - デジタル合成ソフトウェア。12.2以降ReadGeoノードでインポートに対応[45]し、13.0以降Hydraビューポートに対応した[46]。
- USD Shell Extension (Activision) - Windows ExplorerでUSDファイルをプレビュー表示できるようにするためのシェル拡張[47]。
- Blender 4.0以降 - 2.82でUSDエクスポートに[48]、3.0でUSDインポートに、4.0でHydraビューポートに対応[49][注 5]。
USD形式のインポート及びエクスポートのみ可能なソフトウェア
[編集]- 3ds Max 2021.1以降 - MAXtoA (Arnold for 3dsMax) プラグイン経由でUSDエクスポートに対応している[50]。また、インポートとエクスポートに対応するUSD for 3ds Maxプラグインも用意されている[51]。
- Cinema 4D R23以降 - インポートとエクスポートの両方に対応[52]。またUSDZ形式のエクスポートにも対応[52]。
- Modo 14.1以降 - 14.1でインポートに[53]、14.2でエクスポートに対応[54]。
- Unity 2019.1以降[注 6] - パッケージマネージャーからインストール可能[55]。インポートだけでなくエクスポートにも対応している[55]。
- Unreal Engine 4.16以降[56] (Epic Games) - USDインポータ/エクスポータが内蔵されている[57]。4.24以降はライブ編集に対応するUSD Stageも搭載された[58]。
- Gaffer - オープンソースのライティングソフトウェア。シーンリーダー及びシーンライターがUSDに対応している[59][60]。
- Clarisse 4.0以降 (Isotropix) - ライティングソフトウェア。4.0でUSDインポートに[28]、5.0でUSDエクスポートに標準対応した[61]。開発終了[62]。
- KeyShot 10.0以降 - 10.0でエクスポートに[63]、10.1でインポートに対応[64]。
- CityEngine 2020.0以降 - 2020.0でエクスポートに、2020.1でインポートに対応[65]。
- ZBrush 2021.6以降 - インポートとエクスポートの両方に対応[66]
USD形式のインポートのみ可能なソフトウェア
[編集]- Mari 4.6v4以降 - Mari USD CAPI pluginは元々Pixarの開発したプラグインであったが、その後Foundryが開発を管理するようになった[67]。インポートに対応している[67]。エクスポートは開発中[67]。
採用例
[編集]以下の映画の製作に使われている:
また以下のゲームの製作にも使われている:
その他:
注釈
[編集]- ↑ Luma Pictures製のUSD-Arnoldプラグイン及びRodeo FX製のOpenWalterプラグインの後継
- ↑ Katana USD Plug-insは元々USDの公式プラグインであったが、その後Foundryが開発を管理するようになっている
- ↑ USDの公式プラグインも存在したが、プラグインはUSD 20.05で削除された
- ↑ Maya USD拡張(USD for Maya)はオープンソースとなっている。USDに付属していたMayaプラグイン (19.11で非推奨となり、20.02で削除された) とAnimal Logic管理のオープンソースプラグインであったAL_USDMayaの後継に当たる。
- ↑ 4.0より前はAMD製のBlender USD Hydra Addonが必要であった。
- ↑ 以前はUnity Technologies Japan製のUSD For Unityプラグインも存在した。
出典
[編集]- ↑ Overview and Purpose Pixar
- ↑ Computer Graphics World - Edition 2 2020 p.28 CGW Magazine 2020年
- ↑ UsdSkel Introduction Pixar
- 1 2 Computer Graphics World - Edition 2 2020 p.25 CGW Magazine 2020年
- ↑ Pixar Animation Studios Releases RenderMan 22.5 Pixar 2019年5月8日
- ↑ USD - Change Log Pixar
- ↑ Radeon ProRender updated for 3ds Max, Maya and Blender CG Channel 2018年11月17日
- ↑ Intel unveils HdOSPRay and OpenVKL CG Channel 2019年6月4日
- ↑ NVIDIA Omniverse NVIDIA
- 1 2 3 SideFX ships Houdini 18 CG Channel 2019年11月27日
- ↑ Changelog - 3DELIGHT DNA Research
- ↑ Arnold 6 released CGPress 2019年12月11日
- ↑ NEW: Octane Hydra | Solaris plug-in beta Otoy 2020年7月22日
- ↑ RedshiftのHoudini 18.0 / Solaris Hydraプラグインプレビュービルドに関して ボーンデジタル 2019年12月24日
- 1 2 hdRstr ray traces thousands of area lights in real time CG Channel 2021年9月14日
- ↑ Bf-blender-cvs - d350976ba06 - master: Cycles: Add Hydra render delegate Blender Foundation 2022年3月23日
- ↑ Use Blender’s Cycles renderer inside Houdini with hdCycles CG Channel 2020年8月25日
- ↑ DreamWorks open-sources its MoonRay renderer CG Channel 2023年3月
- ↑ Aurora: a real-time path tracing renderer that enables fast product visualizations Autodesk 2022年7月27日
- ↑ [GTC 2014]職人芸集団のPixar,NVIDIAのGPUとゲームグラフィックス技術でCG制作環境のリアルタイム化を目指す 4Gamer.net 2014年4月3日
- ↑ USD: What's the Point, and Why Isn't it Alembic ? Pixar
- ↑ GPU Technology Conference 2015 - Hydra (Video) Pixar 2015年
- ↑ GPU Technology Conference 2015 - Hydra (Slide) P.3 Pixar 2015年
- ↑ GPU Technology Conference 2015 - Hydra (Slide) P.8 Pixar 2015年
- ↑ Pixar open-sources its Universal Scene Description CG Channel 2016年7月27日
- ↑ Q100393: What's New in Katana 3.0 Foundry 2019年2月14日
- 1 2 3 Open source release of USDMaya plugin: AL_USDMaya by Animal Logic fxguide 2017年8月19日
- 1 2 Isotropix ships Clarisse iFX 4.0 CG Channel 2019年2月1日
- ↑ Look At RenderMan 22 and beyond fxguide 2018年5月2日
- ↑ USD Toolset Pixar
- ↑ AR Quick Look Apple
- ↑ Xcode 11 Release Notes Apple
- 1 2 3 4 Get free USDZ file converter and viewer Reality Converter CG Channel 2020年1月14日
- ↑ Adobe’s next big bets are on AR and mixed reality software The Verge 2019年8月9日
- ↑ StemCell converts 3ds Max, Maya files to UE4 and Unity CG Channel 2019年12月5日
- ↑ Foundry releases Katana 3.1 CG Channel 2018年11月29日
- ↑ Katana USD Plugins Pixar
- ↑ Docs » Katana USD Plug-ins » Getting Started Foundry
- ↑ Houdini USD Plugins Pixar
- 1 2 Autodesk ships Maya 2022 CG Channel 2021年3月24日
- ↑ See the new features in Maya 2020.2 and Maya LT 2020.2 CG Channel 2020年5月28日
- ↑ 4.0.3 - Arnold for Maya User Guide - Arnold Renderer Solid Angle 2020年4月20日
- ↑ Change Log Pixar
- ↑ AL_USDMaya Animal Logic
- ↑ Foundry ships Nuke 12.2, NukeX 12.2, Nuke Studio 12.2 CG Channel 2020年7月22日
- ↑ Foundry ships Nuke, NukeX, Nuke Studio & Nuke Indie 13.0 CG Channel 2021年3月17日
- ↑ View USD files inside Windows with this free Shell Extension CG Channel 2021年6月15日
- ↑ Blender Foundation releases Blender 2.82 CG Channel 2020年2月14日
- ↑ Blender 4.0 ships CG Channel 2023年11月14日
- ↑ Autodesk Releases New Version of 3ds Max, 2021.1 Computer Graphics World 2020年6月3日
- ↑ Autodesk releases USD for 3ds Max in public beta CG Channel 2021年5月13日
- 1 2 Maxon unveils Cinema 4D R23 GG Channel 2020年9月9日
- ↑ Foundry ships Modo 14.1 CG Channel 2020年7月27日
- ↑ Foundry ships Modo 14.2 CG Channel 2020年11月13日
- 1 2 Pixar’s Universal Scene Description for Unity out in Preview Unity Technologies 2019年3月28日
- ↑ New Tech in VFX: Fall Edition VFX Voice Magazine 2020年10月15日
- ↑ Universal Scene Description in UE4 Epic Games
- ↑ 10 key features for CG artists from Unreal Engine 4.24 CG Channel 2019年12月15日
- ↑ SceneReader イメージエンジン
- ↑ SceneWriter イメージエンジン
- ↑ Isotropix ships Clarisse 5.0 CG Channel 2021年5月5日
- ↑ Isotropix has discontinued Clarisse CG Channel 2023年4月25日
- ↑ Luxion ships KeyShot 10.0 CG Channel 2020年11月17日
- ↑ Luxion ships KeyShot 10.1 CG Channel 2021年2月9日
- ↑ Esri ships CityEngine 2020.1 CG Channel 2020年11月11日
- ↑ Pixologic ships ZBrush 2021.6 CG Channel 2021年3月2日
- 1 2 3 Foundry releases Mari 4.6v4 CG Channel 2020年7月16日
- ↑ 『グランツーリスモ7』開発における USD 活用事例 ポリフォニー・デジタル 2022年8月23日
- ↑ “Houdiniのプロシージャル技術とOpenUSD活用で進化を遂げるモノリスソフト〜R&Dの最前線と求める人材像を聞く”. CGWORLD. 株式会社ボーンデジタル (2025年5月19日). 2025年9月6日閲覧。