デザイナー・横澤琴葉さんが紹介する、パリのスポット4選
パリ・マレ地区で約1週間開催された展示会の前後や合間には、会場近隣でデザイナーら知人たちとキャッチアップしつつ、子ども連れでも楽しめる屋内スポットを選んで足を延ばしていたという。「ハンディファンやサングラスを準備して挑みましたが、その準備が意味ないぐらいの暑さでした」。そんな猛暑の中でも快適に過ごせた、パリのおすすめアドレスとは?
1. 過去〜現在の人の営みから新たな視点を得る
生物・社会・文化の視点から、人類と社会の進化をひもとく「人類博物館」。横澤さんがこの場所を訪れたきっかけは、ハトラ(HATRA)のデザイナー・長見佳祐さんのインスタグラムで目にしたことだったそう。常設展「人類ギャラリー」では、人類の起源から未来までを多角的な視点で辿ることができる。「特に印象に残っているのは、現代社会の多様性と文化に基づいた展示です。現代的な素材を使って今に受け継がれる伝統的なお守りの展示や、地域ごとで素材も造りも見た目も異なるiPhoneケースの展示など、今この時代に作られている様々なものが興味対象の私にとっては見応えのある内容でした」。また、旧石器時代を代表する芸術作品「レスピューグのヴィーナス」像や、大窓から真正面に望むエッフェル塔の美しい眺めも必見だ。
人類博物館(Musée de l’Homme)
住所/17 Place du Trocadéro, 75016 Paris
2. 感性を刺激する広大な展示空間
現代アートの拠点「パレ・ド・トーキョー」は、横澤さんがパリを訪れるたびに足を運ぶ場所のひとつだ。リック オウエンス(RICK OWENS)をはじめファッションウィークのショー会場としても知られ、「ポンピドゥーセンター」の開館以前は「国立近代美術館」としても使われていたという。「目当ての展示を見るためというより、この空間自体が好きで訪れています。ロビーのソファでくつろいでいたり、寝転んでいたり、ゲスト各々が自由な時間を過ごしている様子に癒されます」。常設の展示はなく、広大なスペースを自由に使った複数の企画展を鑑賞できる。横澤さんが立ち寄った際は、イギリスのアーティスト、キャシー・ド・モンショーの回顧展や、フランス出身の若手アーティストの個展が開かれていた。先述した「人類博物館」からは徒歩10分ほどの場所に位置するため、2か所併せて訪れたい。
パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)
住所/13 Avenue du Président Wilson, 75116 Paris
3. 迷路のような空間で、モードファッションの未来と出合う
ドーバー ストリート マーケットが20周年の節目を迎えた2024年にオープン。新進気鋭のブランドからラグジュアリーメゾンまで、今注目すべきブランドが一堂に集結するモードラバーの必見アドレスだ。17世紀に建てられた歴史的な邸宅を舞台に、川久保玲が内装全体のデザインを担当。店内には曲線的な壁が連続する迷路のような空間が広がり、従来の店舗とは異なり商品がブランドやカテゴリーに関係なくディスプレイされている。「すでに知っているブランドやアイテムを見つけたときでも、周囲のセレクトや配置の仕方でそれがまた新たな見え方になるんです。銀座の店舗とはまた違ったファッション体験ができてワクワクしました」。カフェに加えて、地下や中庭で開催されるインスタレーションや催し物もマストでチェックしよう。
ドーバー ストリート マーケット パリ(Dover Street Market Paris)
住所/35–37 Rue des Francs-Bourgeois, 75004 Paris
4. 今年で400周年! 地球の神秘に迫る博物館
今年で創立400周年を迎えた「国立自然史博物館」。広大な植物園が広がる敷地内には、現存する世界で2番目に古い歴史を持つ動物園や、複数の博物館が併設されている。そのなかで今回横澤さんが親子で楽しんだのは、同館のシンボル的存在でもある「進化の大ギャラリー」だ。サバンナの動物の剥製が行進する巨大な吹き抜け空間、そしてそれを取り囲む回廊には生息地も時代もさまざまな動物標本が並び、生物の多様性をダイナミックに体感できる。「��物好きの娘はスケッチをしながら館内を巡っていて、どうやらパリで一番のお気に入りスポットになったようです。今年は猛暑だったこともあり、しっかり空調が効いていて日差しも避けられるこの場所は、子ども連れでも快適に過ごせました」。
進化の大ギャラリー(Grande Galerie de l’Évolution)
住所/36 Rue Geoffroy Saint-Hilaire, 75005 Paris
Text: Sana Tajika
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